パンドラの箱?Macで独自開発のプロセッサを採用する計画「Apple Silicon」が発表
この記事では
・新MacではDAW, DTMソフトは壊滅的に動かないかもしれない理由
・なぜApple製品はどんどん使いづらくなるの?
・DTM, DAWユーザーが今、取るべき行動・注意点
以上を紹介していきます。
WWDC2020の発表内容は製品が少なく地味な気もしたかもしれませんが、実はかなり大きな発表となりそうです。楽しみな部分も多いのですが、この記事ではMacを利用する、もしくは今後購入予定の音楽制作ユーザーにとって注意すべき点を中心に書きます。
前回Mac OS catalinaがリリースされた際も書きましたが、その時は予想通り多くのDAW / DTMソフトやプラグインが動かなくなりました。
今回の発表はそれを超える、音楽制作ユーザにとってかなり注意すべき発表となりそうです。カタリナの時のように一部、動かないソフトがあると言うレベルではないかもしれません。
ちなみにAppleは新CPUではトラブらないと言ってますが・・うーん過去にもなんども聞いたお言葉なので全てを鵜呑みには・・
DTM / DAWソフトが正常動作しなくなるかもしれない
ざっくりいうと今回の発表では、今後のMacがiPhone用で開発されているARM社のアーキテクチャの新たなCPUを採用するとのことでした。これ、かなり大きな変化です。
乱暴に例えるとパソコンにもスマホにも、CPUとよばれる人間でいう脳の部分があります。
例えば脳みそは同じ位優秀だとしても、アメリカで育った脳と、日本で育った脳って違いますよね。
言語も違うし、考え方や風習も違う。スマホとパソコンの脳みそも似たような違いがあります。
新たなCPUをMacに採用するということは、これまでアメリカで育った子供が、日本に留学するくらいの大きな変化があります。言語から何から変わるので、最初は色々混乱しますよね。
今回のアップルの発表ではこれまでiPhone用に開発していた脳(CPU)を、今後のMacの脳(CPU)としても使うとのことです。
誤解のないようにいうと厳密にはARMのCPUアーキテクチャは幅広く活用できるものなので、スマホと同じ脳という意味ではありません。
ティム・クックはWWDCの発表でMACでもiPhoneやiPadのアプリが使えるなど、良い面をアピールしていました。これは事実でCPUの違いによってアプリのプログラムやOSは、CPUの構造に合わせてプログラムされているので、iOSとMacOSは同じハードウェア上なら共存できるでしょう。これまでも開発環境向けのMacで動作するシミュレーターはありましたが、今後はシミュレーターレベルでなくアプリ互換もあり得るでしょう。
MacでiPhoneのアプリが使えるならいいじゃないかと思うかもしれませんが、逆を言えばMacのプログラムも同様に、これまでiPhoneでは動作しませんでした。当たり前ですがCPUを始めOSなどの構造の違いで実現していません。
最初に書いた通り今回の発表ではそのMacのプログラムが動作した実績がないCPUを、Macに採用するというお話です。少し不安なお話ですよね?
マイクロソフトはすでにARMマシンリリース済み
マイクロソフトのSurface Xは先行してARM搭載マシンとしてリリースされてます。Windows ARMという普通のWindowsとはことなるOSのため、これまでのアプリはそのまま動きませんが、windows Arm上で仮想のWindowsノーマル版を稼働させるような方法で動作できます。32ビットアプリなども動作できますが当然パフォーマンスは悪くなります。ちなみにAppleは32ビットアプリを完全に切り捨てるという前科あり。
macOS Big Surという巨大な変化
乱暴なたとえでCPUが脳だとすると、OSは話す言語のようなイメージです。現在のmacOSはインテル製のCPUに最適化されてプログラムされていて、macOSで動作するプログラムも同様です。
新しいmacOS Big Surは先ほど紹介したiPhone用のCPUに最適化されているということでした。つまり言語レベルでも大きな変化があります。長く使っている方ならご存知でしょうが、MacのOSはバージョンが一つ上がっただけでもかなり色々変わってしまい、動作しなくなるアプリがたくさんありました。
今回は新しいCPUに最適化されるという大きな変化もセットです。
どうしてAppleはそんなことする?ティム・クックの人物像
人気のMacをどうして使いづらくするのでしょう?ティム・クックの人物像は昨今のAppleの製品に強く影響していると思います。コスト管理業務や部品供給を低価格化させたことで瀕死のアップルを再建させたという功績があります。
平たくいうと、アップル製品を製造するときのコストを下げる担当者でした。
つまるところ、安定していたCPUをすて、ARMアーキテクチャを利用して自社製造するCPUを採用するのはコストカットです。
iPhoneからイヤホンジャックが消えたのも同様の理由でしょう。イヤホンが使えなくなることで離れるであろうユーザー数と、イヤホンのためのパーツや構造変化によるコストカットを比較して、イヤホンを無くすことを選んだのです。本体を薄くできるという理由もあるとは思いますが、、
実際にその読みはあたりで、自分はイヤホンジャックないと困るほうですが、それでも変換ケーブルを使いながらiPhoneを使い続けています。
コストカット自体はユーザーにとってはいいことも多いですよね。何よりもAppleの素晴らしい製品を安く入手できます。ただ、残念ながらこういったコストカットでは妥協もつきもので、一部の少数のユーザーのニーズは切り捨てられてしまいます。Macユーザーのマジョリティはデザイナーやカジュアルな動画編集などの用途なので、コアな音楽ユーザーのニーズは切り捨てられる可能性も考えた方がいいかもしれません。
Mac利用を考えている音楽制作ユーザーはどうすればいいの?
現時点でパソコン利用確実なDAW, DTMユーザーは2択になると思います。
1-これからMacを買おうと思っていたなら今のうちに買ってしまいましょう。
2-ウィンドウズユーザーになる。
これから始めるユーザーで、ビート制作とラップの録音のみならiOSユーザーになるのもありですが、ビート制作とラップの録音のみならともかく、現時点ではミックス・マスタリングなどでどうしてもパソコンでやりたい部分がでてきます。5年後はわかりませんが、あくまで2020年時点では難しいでしょう。
1については現行のMacが買えなくなる前に買っちゃおうという話ですね。中古で探すというのもありですが、Macの中古って値段下がらないんで新品で買い2ー3年で売って買い換えるのを推奨します。
2はよりシンプルな逃げ方ですが、監獄のように厳しいAppleの環境から出てWindowsで音楽制作しているユーザーはアメリカではどんどん増えてます。詳しくはこちら
Macの良さはあるんで残念ですけどね・・
ということで今Mac買うならこのへんがおすすめ。少しお値段しますね。
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これじゃ高いという方は中古ですこしパワー落ちますがこの辺
中古なので一点限り、おはやめに |
windowsなら選択肢もたくさん、価格も安い
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タブレットでDAWならSurface Pro最強
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5年もするとiOSのDAW環境も充実して、ミックスやマスタリングまでiOSでやるクリエイターも出てきそうですね。